去る2017年3月30日、東京医科歯科大学医科同窓会の第19回福岡臨床研究奨励賞に特任助教の吉岡耕太郎先生が受賞いたしました。
受賞論文は脳梗塞急性期における発作性心房細動のリスク因子を検討し、独自の発作性心房細動の予測スコア(iPABスコア)を作成してその有用性を示した論文です(J Stroke Cerebrovasc Dis. 2015;24(10):2263-9)。原因不明の脳梗塞において、その後判明する原因の中で発作性心房細動が最も多く、二次予防となる抗凝固薬が適切に選択されず、誤った抗血小板薬の処方による出血リスクの増大が問題となっています。今回の研究は、石橋哲講師の指導のもと、横浜みなと赤十字病院、国立病院機構災害医療センターの2施設で行われました。iPABスコアの予測能は従来の発作性心房細動の予測方法よりも感度・特異度において上回る結果でした。
今後は脳梗塞患者における発作性心房細動の予測精度の更なる向上に向け、発展研究が計画されています。