9月26日~27日に千葉で開催された日本神経免疫学会学術集会で、大学院生の大谷木正貴先生が永田哲也先生の指導、西李依子先生の協力で行った研究「DNA/RNAヘテロ2本鎖核酸によるリンパ球制御を介した神経免疫疾患の新規治療法の開発」の発表がYoung Neuroimmunologist Awardに選ばれ、大会長の桑原聡教授より賞が授与されました。
従来、リンパ球は遺伝子導入効率が極めて低いとされてきましたが、本研究では我々の開発したヘテロ核酸が静脈投与によって末梢血リンパ球をはじめとしたマウスリンパ系組織のリンパ球の高効率な遺伝子制御が可能とする基盤技術になることを明らかにしました。さらにVLA4標的ヘテロ核酸の投与によって多発性硬化症モデルマウスの有意な治療効果を発揮しました。ヘテロ核酸は従来のアンチセンス核酸と比較して優れた遺伝子抑制効果を達成しており、リンパ球の病態が関与する免疫性疾患、神経疾患、がんなど数多くの疾患群の治療に新規の基盤分子技術としてヘテロ核酸の実臨床への応用が期待されます。