5月19日~22日に京都で開催された日本神経学会学術大会で、大学院生の三浦元輝先生が坂上史佳先生、石黒太郎先生の指導の下で行った研究「TDP-43-specific aptamer rescues ALS phenotype in TDP-43 transgenic mice」の発表が一般演題最優秀ポスター賞(基礎部門)に選ばれました。
本研究は水澤英洋先生、石川欽也先生、佐藤望先生らが、脊髄小脳失調症31型(SCA31)の原因として同定したTK2・BEAN1遺伝子の繰り返し配列を含むncRNAが、佐藤望先生によってTDP-43蛋白質と結合することが明らかにされ、石黒先生によってショウジョウバエで見られるTDP-43の凝集と毒性を軽減することが示されました。そこで核酸グループがTDP-43蛋白質と結合して凝集を抑制する新規のタンパク結合性核酸医薬(アプタマー)の配列と分子構造、化学修飾をデザインし、特許出願しました。
本研究ではTDP-43を過剰発現するALSモデルマウスにおいてこのアプタマー核酸を投与することで、症状の改善を認めました。当科の水澤先生の時代の成果が引き継がれて発展した研究結果であり、このアプタマー(ベイト)核酸のALSの根本治療としての発展をさせるべく研究を推進しております。