桑原宏哉先生が学会最優秀賞を受賞

神経内科同門会会員各位

新潟での第56回日本神経学会も学術大会が終了しましたが、本大会でまた嬉しいお知らせがあります。学会中の同門会でもお知らせしましたが、桑原宏哉先生の発表した演題「A new drug delivery system across the blood-brain-barrier」は口演基礎部門では優秀演題の4演題に選ればれていましたが、優秀口演トピックセッションでの発表後の神経学会審査員の投票でトップの学会最優秀賞を獲得して、学会全員懇親会で西澤会長から表彰されました。本演題は、従来成し得なかった高分子薬(抗体、核酸)のBBB通過の革新的な新技術の開発に成功したもので、通過機序の高い独創性と有効性を評価されたものです。同門会一同、桑原先生の栄誉を称え、その受賞をお祝いしたいと思います。

また、神経学会で医科歯科大からの採択演題数は従来から日本でトップレベルでしたが、第56回の本大会での医科歯科大の大学の名前の入った演題数45は他のいずれの大学よりも多く、医科歯科大同門の高いactivityが示されました。ただ、その発表内容には不十分な演題もあり、今後は数のみでなく質でも日本一になれるように次大会も努力していければと思います。

(横田隆徳)

橋本先生の論文がPLoS Oneに掲載されました(^^)

橋本先生、石川先生、水澤先生、理研の永雄先生、本多先生が中心になって開発した 新規の小脳機能の定量的な検査法についての論文がPLOS ONEに掲載され、 医科歯科大と水澤先生が拠点長を務めた脳科学研究戦略推進プログラム(脳プロ)との 共同プレスリリースがされました。

Quantitative Evaluation of Human Cerebellum-Dependent Motor Learning through Prism Adaptation of Hand-Reaching Movement. PLoS One 2015; 10(3): e0119376. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4364988/

本研究は、生理学的な基盤に裏付けられた綿密な理論構成から開発された検査法で、 その結果もクリアーで検査法としての有用性だけでなく、神経生理学的にも非常に興味深く思われます。 小脳機能を含む運動学習の定量的評価方法として、認知機能や発達、老化など 幅の広い分野に応用が可能で、さらなる発展が期待されます。

西田陽一郎先生の研究がNature Neuroscienceに掲載されました(^^)

西田陽一郎先生がRochesterのZlokovicラボに留学中の研究が、 Nature Neuroscienceに西田先生をfirst authorとして掲載されました。

初期のAD患者でもPET検査で大脳グルコース代謝が低下していることは既知の事実ですが、 血液脳関門破綻とグルコーストランスポーター1(GLUT1)の発現低下が AD病態を増悪することをマウスモデルで示し、AD病態の新しい考え方である血管説の根拠となる論文です。

本学の神経内科同門出身でNature誌のfirst authorは初めての快挙です。

Winkler EA, Nishida Y, Sagare AP, et al., GLUT1 reductions exacerbate Alzheimer’s disease vasculo-neuronal dysfunction and degeneration.  Nat Neurosci. 2015;18:521-530.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25730668