第62回日本神経学会学術大会で三浦元輝先生が一般演題最優秀ポスター賞(基礎部門)を受賞

5月19日~22日に京都で開催された日本神経学会学術大会で、大学院生の三浦元輝先生が坂上史佳先生、石黒太郎先生の指導の下で行った研究「TDP-43-specific aptamer rescues ALS phenotype in TDP-43 transgenic mice」の発表が一般演題最優秀ポスター賞(基礎部門)に選ばれました。

本研究は水澤英洋先生、石川欽也先生、佐藤望先生らが、脊髄小脳失調症31型(SCA31)の原因として同定したTK2・BEAN1遺伝子の繰り返し配列を含むncRNAが、佐藤望先生によってTDP-43蛋白質と結合することが明らかにされ、石黒先生によってショウジョウバエで見られるTDP-43の凝集と毒性を軽減することが示されました。そこで核酸グループがTDP-43蛋白質と結合して凝集を抑制する新規のタンパク結合性核酸医薬(アプタマー)の配列と分子構造、化学修飾をデザインし、特許出願しました。

本研究ではTDP-43を過剰発現するALSモデルマウスにおいてこのアプタマー核酸を投与することで、症状の改善を認めました。当科の水澤先生の時代の成果が引き継がれて発展した研究結果であり、このアプタマー(ベイト)核酸のALSの根本治療としての発展をさせるべく研究を推進しております。

2020年WEB忘年会ご参加の御礼


12月8日(火)に、当医局・同門会としての初めてのWEB忘年会に100名以上の先生にご参加を頂いて下記のような内容で行いました。

リモートではありましたが、同門の皆様のお顔を拝見できて、スライドも目の前にあって見やすく、コロナ時代ならでは交流ができました。

WEB忘年会終了後は、各連携病院ごとの個別情報交換会を行い、2次会のように良き交流ができました。

ご多忙の中、多くの先生方にご参加をいただきまして、誠にありがとうございました。

ご挨拶: 横田隆徳先生

ご挨拶: 同門会長 織茂智之先生

ご挨拶: 水澤英洋先生

冨滿弘之先生 JAとりで総合医療センター 病院長就任のお祝い

お祝いの言葉:横田隆徳先生

お祝いの言葉:石川欽也先生

山脇正永先生 東京医科歯科大学大学院臨床医学教育開発学分野 主任教授就任のお祝い

お祝いの言葉:横田隆徳先生

お祝いの言葉:神田隆先生

受賞者の紹介

横手裕明先生:神経免疫学会 研究創世賞

吉岡耕太郎先生:医科同窓会 第33回研究奨励賞、日本核酸医薬学会 奨励賞

永田哲也先生:日本核酸医薬学会 学会特別賞

論文プレスリリース

横田隆徳先生:BBB通過性Aβ抗体でAlzheimer病モデルマウスの治療に成功

浅見裕太郎先生:CBIR最優秀ポスター発表賞

最近数年で新たに部長に就任された先生方

石原正一郎先生 JAとりで総合医療センター 脳神経内科部長

大久保卓哉先生 横浜市立みなと赤十字病院 脳神経内科部長

田中宏明先生  東京都立大塚病院 内科部長

斎藤和幸先生  日産厚生会玉川病院 脳神経内科部長

日詰正樹先生  埼玉県総合リハビリセンター 診療部長

袖山信幸先生  浴風会病院 診療部長

坂本昌己先生  浴風会病院 診療部長

新井雅信先生 杏雲堂病院 リハビリテーション科部長

2021年度より新たにローテションに加わる先生の紹介

坂巻愛弓先生 総合病院国保旭中央病院

吉濱れい先生  関東中央病院

榎本雅之先生  埼玉医科大学総合医療センター

清水沙織里先生 JR東京総合病院

宮澤由衣先生  東京医科歯科大学医学部附属病院/北信総合病院

松本仁圭先生  東京医科大学病院

連携病院の近況報告

閉会挨拶:融衆太先生

各関連病院ごとの情報交換会

DNA/DNA2本鎖核酸による効率的な遺伝子抑制を達成

核酸医薬のリーティングでヌシネルセンを開発した米国IONIS Pharmaceuticalsとの共同研究で、DNA/DNA2本鎖を基本とする新規分子構造がアンチセンス核酸の効果を高めることを浅見先生、永田先生、吉岡先生を筆頭著者としてDNA/DNA 2本鎖核酸創生の論文がMolecular Therapy (Impact factor 8.986)に2020年12月7日にオンライン版で発表され(PMID: 33290725, DOI: 10.1016/j.ymthe.2020.10.017)、12月8日に本学からプレスリリースされました (http://www.tmd.ac.jp/archive-tmdu/kouhou/20201208-1.pdf)。

我々が開発したDNA/RNAヘテロ二本鎖核酸は従来のアンチセンス核酸と比較して優れた遺伝子抑制効果を発揮することを報告してきましたが、DNA/DNA2本鎖を基本とする構造でもアンチセンス核酸の効果を高めることを示しました。DNA/DNA2本鎖とDNA/RNA2本鎖は化学構造も生物学的機序も異なりますが、この発見によってヘテロ核酸の生物学的機序はより複雑になりますが、分子構造の自由度が飛躍的に高まり、疾患治療の目的にあった設計が可能になりました。我々が開発したヘテロ二本鎖核酸は2本鎖アンチセス核酸としてより広い概念としてその本質が見えてみえてきたように思います。

横田隆徳

2020年11月30日、12月1日に核酸医薬シンポジウム2020が開催されました。

2020年11月30日、12月1日に核酸医薬シンポジウム2020が、医科歯科大学主催で開催されました。この学会は当科で力を入れて研究を進めている核酸医薬の臨床応用を目指すための学会で、薬学、分子生物学、核酸化学、遺伝子工学の基礎研究室や製薬企業も多数参加しています。本来ならば毎年6-7月に年会を行っておりますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年に延期となったため、横田が理事長を務めている関係から当科主催でオンラインシンポジウムの形で開催いたしました。結果としては例年の倍に近い1500人以上の参加があり大盛況となりました。吉岡先生、浅見先生をはじめとして主催に尽力いただいた方々に感謝いたします。

なお、この中で、永田先生が「国内初のデュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する核酸医薬品ビルトラルセンの開発」で日本核酸医薬学会 学会特別賞を受賞されました。また、吉岡先生が「新規2本鎖核酸による遺伝子制御効果・安全性の向上および生体内核酸分子機構の解明」で日本核酸医薬学会 奨励賞を受賞されました。この受賞の詳細は後日に報告します。

横田隆徳

山脇先生の教授就任の嬉しいお知らせ

医局・同門会会員各位

大変嬉しいお知らせがあります。

昭和63年に本学卒、神経内科同門の山脇正永先生が、12月1日付けで、田中雄二郎現学長の後任の大学院臨床医学教育開発学分野の教授に就任されました。同門からは石川欽也先生に続く、本学では3人目の主任教授であり、おめでとうございます。

山脇先生は卒後ただちに塚越教授の本学神経内科に入局されて、卒後4年目の大学院在籍中に米国バージニア州立大学留学され、本学の神経内科の講師から2011年から臨床教育研修センター准教授を経て京都府立医大総合医療・医学教育学で主任教授として活躍されておりました。研修医時代から何事にもスマートで、臨床、研究、教育のすべてに優れた実績を挙げて、さらに温厚なお人柄であって、また本学で一緒に働き、同門会でもご一緒できることになって、大変嬉しく思います。

医局同門として、山脇先生の主任教授ご就任を、皆でお祝いしたいと思います。

コロナ感染禍で祝賀会が開けず非常に残念ですが、12/8のZoom忘年会でご挨拶をいただく予定です。

2020年11月30日

横田隆徳

同門会の皆さまへ

この度、大学院臨床医学教育開発学分野の主任教授として、12月より本学に赴任することになりました。当教室は初代の田中雄二郎教授のもと、本学の卒前・卒後教育の教学マネジメントを行う部門として設立されました。大学の使命の1つである教育に大きく関わる部門であり、その職責は重大と考えている次第です。
近年の医学教育では、教育に対する考え方が変容しているように一見みえますが、私自身が本学神経内科学教室で塚越廣教授、水澤英洋教授、横田隆徳教授より薫陶を授かりました教育観は現在でも変わるものではないと思っています。さらに、これからの医学教育・医療教育は大学だけで完結するものでなく、協力病院や協力施設・研究所とともに実施すべきものであり、教育は、臨床・研究と同様に皆様をつなぐ要のひとつと考えております。
今後も、学生教育・卒後教育・生涯教育等で同門会の皆さまにお世話になることと存じますので、ご指導の程どうぞよろしくお願いいたします。


京都府立医科大学大学院教授 総合医療・医学教育学 山脇正永

横手裕明先生が令和2年度日本神経免疫学会研究創世賞優秀賞を受賞

新渡戸記念中野総合病院の主任医長の横手裕明先生が、「多発性硬化症(MS)における脳萎縮と腸管透過性の関連を探索する前向き研究」という研究課題を申請し、令和2年度日本神経免疫学会研究創世賞優秀賞を授与されました。同賞はコスミックコーポレーションの寄付により2014年に設置された賞で、歴代受賞者には中島一郎先生(現・東北医科薬科大学脳神経内科)など第一線でご活躍の先生方が名を連ねておられます。

横手先生が2008年に「腸内細菌」とMSとの関係を初めて報告して以降、「腸内細菌」のMSの発症や病型に関与する可能性が相次いで報告されております。現在の研究の焦点の1つは腸と脳をつなぐブリッジの解明です。そこで、本研究ではそのブリッジのひとつと考えられる「腸管透過性」と、MSバイオマーカーとして確立しつつある「脳萎縮」との関連を前向きに検討しています。今後、MSの病態における腸脳連関の役割の解明が加速されることが期待されます。

横田隆徳

第12回 CBIR/ONSA/大学院セミナー共催 若手インスパイアシンポジウムで浅見裕太郎先生が最優秀ポスター発表賞を受賞

2月12日に東京医科歯科大学で開催された第12回 CBIR/ONSA/大学院セミナー共催 若手インスパイアシンポジウムで、大学院生の浅見裕太郎先生が永田哲也先生、吉岡耕太郎先生と行った研究「DNA/DNA二本鎖核酸によるin vivoでの効率的な遺伝子制御」の発表が最優秀ポスター発表賞に選ばれ、CBIRセンター長の岡澤均教授より賞が授与されました。

我々が開発したDNA/RNAヘテロ二本鎖核酸は従来のアンチセンス核酸と比較して優れた遺伝子抑制効果を発揮することを報告してきましたが、本研究ではDNA/DNA2本鎖(化学修飾はヘテロ)を基本とする構造でもアンチセンス核酸の効果を高めることを示されヘテロ核酸の概念が拡張され、今後の臨床応用が期待されます。同門として浅見先生の受賞を喜びたいと思います。

横田隆徳

第31回日本神経免疫学会学術集会で大谷木正貴先生がYoung Neuroimmunologist Awardを受賞

9月26日~27日に千葉で開催された日本神経免疫学会学術集会で、大学院生の大谷木正貴先生が永田哲也先生の指導、西李依子先生の協力で行った研究「DNA/RNAヘテロ2本鎖核酸によるリンパ球制御を介した神経免疫疾患の新規治療法の開発」の発表がYoung Neuroimmunologist Awardに選ばれ、大会長の桑原聡教授より賞が授与されました。

従来、リンパ球は遺伝子導入効率が極めて低いとされてきましたが、本研究では我々の開発したヘテロ核酸が静脈投与によって末梢血リンパ球をはじめとしたマウスリンパ系組織のリンパ球の高効率な遺伝子制御が可能とする基盤技術になることを明らかにしました。さらにVLA4標的ヘテロ核酸の投与によって多発性硬化症モデルマウスの有意な治療効果を発揮しました。ヘテロ核酸は従来のアンチセンス核酸と比較して優れた遺伝子抑制効果を達成しており、リンパ球の病態が関与する免疫性疾患、神経疾患、がんなど数多くの疾患群の治療に新規の基盤分子技術としてヘテロ核酸の実臨床への応用が期待されます。

同門会交流会

2019年9月14日、葛西海浜公園で同門会交流会を行いました。

今回が初めての開催で、土曜日のお昼時からでしたが、総勢47人の同門会員やそのご家族に参加していただき、大変盛り上がりました。

教授や関連病院の部長の先生、開業された先生、外部へ出向中の先生、入局勧誘対象の研修医・学生さんにも参加して頂いて、バーベキューやドッジボール、サッカーを楽しむことができました。

ご多用のところ参加いただきました先生方・ご家族に感謝いたします。

第60回日本神経学会学術大会で高橋直先生が医学生・初期研修医口演セッションで最優秀賞を受賞

東京医科歯科大学 神経内科 医局同門会会員各位

嬉しい報告があります。

5月22日~25日に大阪で開催された日本神経学会学術大会の医学生・初期研修医口演セッションで2年目の初期研修医の高橋直先生の発表した“Width of the third ventricle is high-sensitive marker for chronic progressive neuro-Behçet’s disease”の演題が最優秀賞に選ばれました。抄録審査で6名に絞られた後、口演による審査の結果、1名の最優秀賞が選ばれるもので、閉会式では大会長の楠先生より賞の授与がなされました。本研究は三條伸夫先生の立案と指導のもと、慢性進行型神経ベーチェット病の脳萎縮の進行を急性型と比較して経時的に解析した研究です。今後は、慢性進行型神経ベーチェット病の脳萎縮の病態をバイオマーカーで明らかにし、さらに発展できればと考えています。
高橋直先生と三條伸夫先生の栄誉を称え、日本神経学会、医学生・初期研修医口演セッション最優秀賞の受賞を医局同門の皆で喜びたいと思います。

横田隆徳